用語解説 : 浮遊粒子状物質(SPM) 

1 浮遊粒子状物質(SPM)とは... 
 大気汚染物質を大きく分類すると、気体である二酸化硫黄(SO2)や二酸化窒素(NO2)などのガス状物質と、固体の小さな粒である粒子状物質(PM)とになります。
 浮遊粒子状物質(SPM = Suspended Particulate Matter)は、大気中に存在する粒子状物質(PM)のうち粒子の直径が10μm(0.01mm)以下の非常に細かな粒子で、すぐには落下せずに大気中に浮かんで(浮遊 して)います。

2 発生源 
 浮遊粒子状物質の発生源は多種多様です。
 自然界に由来するものとしては、風により地表から舞い上がった細かな土壌粒子(代表的なものとしては、春先に中国大陸から風で運ばれてくる黄砂)、火山の噴火により上空に吹き上げられた火山灰、海水が蒸発したあとに残る海塩粒子などがあります。 
 人工的なものとしては、工場や事業場、自動車、船などで使われる燃料などが燃焼する過程で発生する(「すす」など)ほか、自動車が道路を走行することでアスファルトやタイヤのゴムかすなど(道路粉じん)が発生します。
 工場などで発生する浮遊粒子状物質は煙突などで上空の高い場所に排出されることが義務付けられていますが、自動車由来の浮遊粒子状物質は生活空間の近くに留まってしまうため、健康に与える影響も大きいとされています。

3 健康影響 
 一般に、粒子の直径が10μmより大きい粒子は、呼吸により鼻から入っても大部分は鼻腔の粘膜に吸着され、肺には達しません。 
しかし、10μm以下の浮遊粒子状物質は気管に入りやすく、特に直径が1μm以下の粒子は気管支や肺の奥の肺胞まで吸い込まれてしまいます。 
 このため呼吸器系疾患の原因となります。また、花粉症なども引き起こしているといわれています。

SPM計測定器で使用するろ紙

空気が汚い

空気がきれい