用語解説 : 二酸化窒素(NO2)  

1 二酸化窒素(NO2)とは... 
 「二酸化窒素」(NO2)は、1個の窒素原子(N)と2個の酸素原子(O)が結合して生成される「窒素酸化物」(NOx)の一種で、赤褐色の空気より重い気体です。

2 発生源
  大気汚染物質としての二酸化窒素が発生する過程には2種類あります。
高温でものが燃えると、空気中に含まれる窒素(N2)と酸素(O2)が結合して一酸化窒素となり、さらに太陽の光のエネルギーなどを受けると空気中の酸素と結合して二酸化窒素に変化します。
 また、石油などの燃料中には窒素を含む有機化合物が若干含まれています。これらを燃やすとやはり一酸化窒素が発生し、空気中の酸素と結合して二酸化窒素になります。
 このため、工場のボイラ(重油、都市ガス等)、自動車のエンジン(ガソリン、軽油等)、家庭のコンロやストーブ(都市ガス、プロパンガス、灯油等)など、燃料を燃やしているものは全て二酸化窒素の発生源になります。
 燃焼温度が高温になったり燃料に含まれる窒素が多くなると二酸化窒素の発生量も多くなります。

3 濃度変化 
 二酸化窒素の濃度は、浮遊粒子状物質(SPM)など他の大気汚染物質と同じように日射や雨あるいは季節風など気象の影響を受けて、季節ごとに周期的に変化し、一般には、真夏の7月〜8月に最も低くなり、11月〜1月の冬に高くなります。 

4 健康影響
 二酸化窒素は、呼吸とともに人体に取り込まれ、呼吸器疾患の原因になったりします。
 また、窒素酸化物は、「炭化水素」(HC)とともに太陽の紫外線により光化学反応を起こして「光化学オキシダント」(OX)を生成し、「光化学スモッグ」の原因ともなります。 
 このため、二酸化窒素は、代表的な大気汚染物質の一つとして、大気汚染防止法で規制・監視の対象となっています。