国土交通省 関東地方整備局 荒川上流河川事務所
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事務所の取組み

  • 利水

    荒川の利水

    荒川の水は、武蔵水路によって利根川から導水される水と合わせて、農業用水、水道用水、工業用水、発電用水として、有効に利用されています。特に、水道用水はそのほとんどが秋ヶ瀬取水堰地点で取水され、埼玉県民約430万人、東京都民約1,250万人、合わせて約1,680万人の飲み水として供給されています。

    荒川水系水利用状況

    荒川水系水利用状況
    荒川水系の許可水利権量
    水源 荒川等(m3/s) 利根川導水「武蔵水路」 合計(m3/s) 割合(%)
    農業用水 24.31 0.000 24.31 16.0
    水道用水 15.0246 28.586 43.6106 28.8
    工業用水 0.277 2.080 2.357 1.5
    発電用水 81.4 0.000 81.4 53.7
    合計 121.0116 30.666 151.6776 100
    平成29年度の荒川(利根川からの導水含む)における水利権量の割合
    全国一級河川の水利権量の割合(平成29年4月30日現在)

    農業用水

    荒川から取水する農業用水の平成29年現在の水利権量(法定化分)は合計約24.31m3/sで、総かんがい面積は約7,000haに及んでいます。
    六堰頭首工地点で取水する大里用水(最大約16.9m3/s)が代表的で、昭和36年の二瀬ダムの完成に伴い、六堰頭首工地点でのより安定した取水が可能となりました。
    さらに、昭和39年の玉淀ダム(埼玉県の発電ダム)の完成に伴い、櫛引用水(最大約5.2m3/s)の取水が可能となり、櫛引台地の農業開発が行われました。

    水道用水

    荒川流域における上水道の普及は、豊富な地下水への依存もあって遅く、昭和30年代までは秩父市、飯能市、米軍豊岡基地(現、航空自衛隊入間基地)が河川表流水を取水しているだけでした。
    昭和30年代後半からの高度経済成長期に、大量の地下水汲み上げによる地下水位低下や地盤沈下現象が顕在化し、大きな社会問題となりました。そのため、地下水から河川水への水源転換が図られることとなり、水道用水の水利権量は昭和30年の約0.5m3/sから見ると、平成29年現在では約15.0246m3/sになっています。
    さらに、東京都をはじめとする首都圏の急激な水需要の増加に対処するため、水資源開発公団(現、水資源機構)により、利根川で開発した水を荒川に導水する武蔵水路の建設(利根導水路建設事業)が、東京オリンピック(昭和39年10月)を控えた昭和38年に着手され、昭和43年に完成しました。
    武蔵水路の完成により、荒川での水道用水の取水量は飛躍的に増加し、荒川の水と利根川の水を合わせた水利権量は約44m3/sとなっています。 なお、武蔵水路の導水には、新河岸川を経由した隅田川の河川浄化用水も含まれています。

    工業用水

    荒川上流域における工業用水の取水は、昭和15年に昭和電工株式会社が荒川支川の浦山川から取水(0.077m3/s)を開始したのが最初で、以降、平成29年現在では、約0.3m3/sとなっています。
    武蔵水路の完成により、利根川から約2.1m3/sの導水が可能となり、荒川の水と合わせて水利権量は約2.4m3/sとなっています。

    発電用水

    荒川流域での水力発電の歴史は古く、明治39年に姫川電力(現、東京発電)が宮平発電所及び大滝発電所の運転を開始したのが最初です。
    現在、11発電所が稼動中であり、発電用水の水利権量(合計使用水量)は約81m3/s(全体の約54%)と最も多く、合計最大出力は52,800kWに及んでいます。

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