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利根川の紹介

  • 歴史散歩「利根川の碑」

    河川改修碑

    説明

    河川改修碑 河川改修碑

    この村は凡そ江戸時代の頃から明治末期に至る間度々水害に悩まされ大正年間利根川江戸川の改修が行われたその後昭和4年村内に大排水路が開拓されて以来漸く水害の村から脱却営々今日村の興隆をもたらした祖先の功労に深い敬意を表します。昭和22年9月カスリン台風による集中豪雨は関東地方各地に河川の氾濫を来たしたが利根水系も記録的な大洪水となり上流埼玉県東村堤防も溢流決潰し東京都下に至る流下市町村に甚大な被害を与えた。
    建設省はこれらの惨状から河川の早期改修に迫られ当村地先堤防も川幅が狭溢で危険なため昭和35年9月引堤工事計画説明会が小手指第一分校に開かれた本計画は沿岸8部落に亘る大規模な工事となるため逸早く利根川江戸川引堤対策委員会を結成し挙村の態勢により対策を講ずることとなった。以来実に6ヶ年余買収用地物件移転神社仏閣墓地等の価値或は宅地造成など多くの難問題解決に連日協議折衝が続けられ買収用地的120ヘクタール室屋移転実に120戸に及ぶ河川史上稀に見る大事業も遂に昭和41年すべての契約が締結され同43年3月全築堤工事の完成を見るに至ったのであります。この陰には対策委員各位の不眠不休精力的な努力と共に被買収者各位が農民として生活の基盤である貴重な農地を手放し或は離農転職を積極的な勇気を振いひたすら村の繁栄を念願し国家大計をよく理解して一致協力された賜であり村の進運をかけた事業が円満裡に快決された事は村政史上永く顕彰される事を信じます。
    今や当村は首都圏50キロメートル以内に位し農工両全の村として発展する基礎的条件が整備されつつありますがこの河川改修を契機として始めて開発された土与部工事団地域は減少農地の高度利用を意図した県営農業水利事業等も既得水利権毎秒1トン985に対し県が前記実情を考慮して特に毎秒1トンを加え村独自の揚水施設により豊富な農業用水を取得し農業構造改善事業と相俟って営農の近代化が促進される事でありましょう。
    当村は治水の終結により永年に亘る洪水時の不安と干害とが解消され、より高度な理想郷を策くため村民和を以って叡智と豊かな想像力を結集し近代的地方自治体として益々進展することを期待してやみません。
    時まさに明治百年祭にちなんで先輩の功労をたたえ ここに河川改修に尽力された各位の深甚な感謝の意を表すとともにこの大事業を永久に記念するため碑を建立するものであります。
    昭和43年11月建立

    位置

    茨城県猿島郡五霞町

    備考

    五霞村村役場内

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