説明
決潰口跡
利根川の治水のために
カスリン台風に因る異常な降雨を集めた利根川は昭和22年9月13日夜半この堤防を溢れ決潰しその濁流は延々と東京都を浸しました。昭和10年と16年にも大出水があり過去の改修工事では、利根川を守りきれない事が明らかになったにも拘らず戦争の噪音にまぎれて治水を怠ったからであります。敗戦後の乏しい国力と変動する社会情勢の下にあって利根川の復舊と増補に苦しんだ我々はこの国土に住む限り治水を疎かにしてはならないことを痛感し沿岸の方々と我々に続く河川工事関係者に不断の努力を切望致します。
昭和25年9月15日