高崎河川国道事務所

はい、いろいろな自然災害の中で、身近で、時には大きな被害をもたらすものとして、水害があげられると思います。今月5月は水防月間になっていまして全国各地で水防訓練や日頃の備えの点検などが行われます。そこで今日は「水防月間」にちなみまして「水害の発生を予防する」または「被害を最小限に食い止める」いわゆる「水防」についてお話しようと思います。

はい、台風時の水害の映像などで、洪水が河川からあふれないように「土のう」＝袋に土を詰めたもの＝を積んでいるところをご覧になったことがあると思います。このように土のうや材木、シートなどを使って、川があふれたり、堤防が壊れたりしないようすることを「水防」といいます。 これは決して特別なことではなく、皆さんの町でも洪水の危険があれば必ず必要になることなのです。

経験がないということは、今まで安全なところに住んできた、またはたまたま水害に遭わなくて済んできたということですが、今後も絶対に被害に遭わなくて済むとは誰にもわかりません。やはり、いざというときは　経験や知識があった方がいいと思います。そうした水防の知識のあまりない方にも実際に災害時の対処方法などを覚えて戴こうと　水防の大がかりな訓練が今月20日に茨城県取手市の利根川で行われます。

はい、「第55回利根川水系連合水防演習」といいまして、5月20日土曜日に茨城県取手市東地の利根川左岸河川敷で開催されます。水防に関する訓練では国内最大のもので2万人もの人が集まる訓練です。利根川が流れる5つの県で順番に開催されていまして、群馬県では去年5年ぶりに開催されました。

はい、まず地元水防団によるいろいろな水防工法が披露されます。水防工法には、堤防から水が漏れだした時につくる「月の輪」や堤防にヒビ割れが出来た場合に行う「五徳縫い」などがありますが、こうした伝統工法を手際よく行っている様子を迫力一杯にみることが出来ます。また、クレーンによる重さ1トンの「大型土のう」の設置訓練や大型ポンプ車なども参加します。

その通りです。伝統と新技術の組み合わせもこの訓練の見どころの一つです。さらにその後、自衛隊や警察、消防などの方々による救出救護訓練が行われます。「川の中州に人が取り残された」という設定で　オフロードバイクやヘリコプター、水上バイク、それに高速ボートなどを駆使した迫力ある救助活動が行われます。

はい、洪水などの被害を防ぐためには、先ほどの新旧の調和だけではなく関係機関との横の連携も非常に重要です。そして何よりも、それぞれが日頃から十分に訓練しておくことが大切です。この訓練をみて戴ければ水防の関係者が皆、地域の方々の安全と安心のために日頃から一所懸命訓練していることが分かって戴けると思います。

当日は入場無料で どなたでもご覧になれます。また、簡単な水防工法に参加することも出来ます。 ぜひご家族で、ご覧になって戴きたいと思います。