草津谷・六合

からくり計画

第3章 品木地区の思い


 エメラルドグリーンの湖面を湯釜の湖面にみたて、「上州湯の湖」と呼ばれ親しまれる品木ダムは、河川水の中和生成物を沈殿するために、昭和40年に建設された人造湖です。

 ここにはかつて、品木地区17戸の民家があり、独自の伝統を守りながら暮らしていました。品木ダムは、下流地域への恩恵のために先祖から受け継ぎ大切に守ってきた土地を失うという大変な決断の上に出来上がったダムなのです。

 品木地区の人々は現在別の地に移転住して生活をしていますが、故郷をいとおしむ気持を失うことはありません。

 ダム湖畔には、かつて品木地区を見守っていた百八十八観音が、その思いを代弁しているかのように湖面を見つめて佇んでいます。品木ダムを訪れるとき、かつての品木地区の風景に思いを馳せてみてほしいのです。

第4章 住民が自ら動き出した