草津谷・六合

からくり計画

第1章 中和事業の役割


 環境体験アミューズメント構想の中核である草津中和工場では、強い酸性の河川である湯川の中和事業を行っています。湯川はその名のとおり温泉の流れる川で、草津温泉の源ですが、草津白根山などの火山活動の影響を受けて強い酸性となっています。

 中和事業が行われる以前は、強酸性ゆえに下流地域に於いて農業に支障をきたしたり建造物を傷めたりすることなどをはじめ、河川に生物が生息できない「死の川」と呼ばれる様になりました。また、湯川の水は吾妻川、そして関東地方の重要な水源である利根川へ流れているため、その影響範囲はとても大きなものだったのです。しかし昭和39 年に、多くの困難を乗り越えて草津中和工場で世界初となる中和事業が始まってからは、この問題は解消されました。そして、下流域において水力発電が可能になるなど、河川の恵みをさらに有効に活用できるようにもなったのです。(詳しくは「中和物語」をご覧下さい)

 また、現在建設中の八ッ場ダムは、湯川の下流、吾妻川に位置しています。関東の重要な水がめとなるこのダムも、実は、上流にある湯川が中和されずには造る事ができないのです。(中和事業に関しては「中和のからくり」をご覧下さい)

第2章 草津・六合の歴史的繋がりと自然の魅力