平成12年度に行われた市町村職員を対象としたアンケート調査では、52%が環境用水(環境保全や景観形成に必要な水)へのニーズがあり、環境用水へのニーズの内訳は、「かつては存在し今は失われた水の回復」、「公園における親水空間を形成するために新たに必要となる水」、「水路の浄化のために必要な水」等となっています。また、水量・水質の改善に関する要求事項では、「一年を通じて水の流れが感じられるようにする(水量)」、「一年を通じて手足で水面を触れることができる程度にする(水質)」が高い結果となっています。
水資源として利用できる水の量は、降雨量から蒸発・蒸散する量を差し引いたもので(水資源賦存量)、近年の少雨年における水資源賦存量は減少傾向にあります。このため、主要な水系における水供給の安定性も大幅に低下している状況にあります。
水資源として利用できる水の量は、降雨量から蒸発・蒸散する量を差し引いたものであり(水資源賦存量)、近年の少雨年における水資源賦存量は減少傾向にあります。このため、主要な水系における水供給の安定性も大幅に低下している状況にあります。
ダムを建設する際には、比較的降雨の少ない年(利水基準年)を選定し、その年の降雨でも必要な水量を供給することができるように計画されています。近年の少雨傾向により、この利水基準年を上回る厳しい渇水が発生しており、各地で安定的な水の供給ができなくなっています。
近年、世界各地で高温、多雨、少雨などの異常気象が発生している。2002年においても、世界各地で干ばつや少雨による森林火災、ヨーロッパを含め各地で大雨による洪水被害も発生しており、これらの異常気象は、エルニーニョ/ラニーニャ現象等の自然的要因や二酸化炭素等の温室効果ガスによる地球温暖化等の人為的要因が挙げられています。
人間の活動に起因する二酸化炭素などの温室効果ガスにより、地球規模で温暖化が進行しており、1990年~2100年までに平均地上気温が1.4~5.8℃上昇し、これに伴い北半球の積雪域の縮小と9~88cmの海面上昇が発生すると予測されています。また、地域によって、降水量の増加や減少が発生し、降水量の変動幅も大きくなることが予測されています。
安全な水、おいしい水への国民の志向が高まっており、水道原水の水質汚濁に伴う異臭味被害は平成17年度において約396万人となっています。一方でミネラルウォーターの年間生産実績が年々伸びており、浄水器の家庭への普及も進んでいます。
全国の都道府県の近年10ヶ年の上水道月別給水量から、気温の上昇と共に、生活用水使用量原単位(リットル/人・日)が上昇する傾向にあります。したがって、将来、地球温暖化が進行することで生活用水使用量も増加する可能性があります。