国土交通省 関東地方整備局 霞ヶ浦河川事務所
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霞ヶ浦の紹介

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    魚類

    魚類(淡水魚)

    コイ/コイ科(Cyprinus Carpio)

    コイ コイ

    霞ヶ浦全域に分布。流れの穏やかな淵や落ち込みの底層部、砂泥底を好みます。5~6月が産卵の盛期で、大雨の後の出水期に大群で産卵行動に入ります。産卵は、フナ属の産卵場所よりさらに深いところにある水草地帯で行います。食性は、底生生物を中心に、雑食性。餌の取り方は、独特で砂ごと餌を吸引します。湖内での網いけすによる養殖(コイ養殖)も盛んにおこなわれています。

    ゲンゴロウブナ/コイ科(Carassius auratus cuvieri)

    ゲンゴロウブナ ゲンゴロウブナ

    琵琶湖の原産で、昭和5年に霞ヶ浦に移植されたものが、繁殖しました。日本産のフナの品種のなかでは、最も体高が高く、平たい種類。全長25~50センチメートルぐらいの大きさになります。体の背面 は灰褐色で、側面は銀褐色。よどみや流れの穏やかな水域に棲み、中層または表層近くを群れをなして泳ぎます。4~6月が産卵期で、大雨の直後に大群で湖岸に来遊します。植物プランクトンが主食。釣り人には、ヘラブナの愛称で親しまれています。

    ギンブナ/コイ科(Carassius auratus langsdori)

    ギンブナ ギンブナ

    最も普通にみられるフナ。全長は、25~50センチメートル。体高は、キンブナより高いが、ゲンゴロウブナより低い。体はやや平たく緑褐色で銀色の光沢があります。産卵期は、3~6月で湖岸はもとより、河川、水路、水田に入って産卵します。霞ヶ浦流域のギンブナは、ほとんどが雌で、産卵期、産卵場をほぼ同じくするコイやフナの雄の媒精で繁殖します。雑食性。釣り人には、マブナとも呼ばれています。

    キンブナ/コイ科(Carassius auratus subsp)

    キンブナ キンブナ

    フナの中では、最も小型の品種で、全長10~15センチメートルぐらい。体高は低く、巾は厚い。体色は、黄褐色または赤褐色。泥質の止水域を好むため、湖の湾奥部の水草の繁茂しているような所で多く見られます。主に、底層を泳ぎ、冬には水草やそだの中に潜って越冬します。3~6月の降雨のあと等に、湖岸の浅瀬で群れをなして産卵を行い、水藻やヨシ・マコモの枯茎等に卵を付着させます。雑食性で、特に水底に生息する昆虫類を好んで食べます。

    モツゴ/コイ科(Pseudorasbora parva)

    モツゴ モツゴ

    湖では岸近くの浅いところに生息。全長は、6~10センチメートル。体は細長く、頭はとがり、口は小さく上を向いています。背面 は淡い灰褐色、側面は銀白色で、体側の中央に黒い縦の帯があります。産卵期は4~8月で、水辺のヨシやマコモの枯茎、杭、石、貝殻等に隙間なく卵を産みつけます。雄は、卵を保護する習性があります。食性は、雑食。釣り人には、クチボソと呼ばれています。

    オオクチバス/バス科(Micropterus salmoides salmoides)

    オオクチバス オオクチバス

    北アメリカ原産。日本へは、1925年に芦ノ湖に移入されたのが最初。成魚は、魚食性であるため、芦ノ湖から外部への持ち出しが禁止されていましたが、野方図な放流の結果 、今では全国に分布するようになりました。全長は30~50センチメートル。止水域を好み、春から秋にかけては、水草地帯や障害物のある岸辺近くで活発に餌を求めて動き回ります。産卵は、雄が湖底を掃除して、直径50センチメートル、深さ30センチメートルくらいの巣をつくり、そこに雌が卵を産みます。通称ブラックバス。

    ブルーギル/バス科(Lepomis macrochirus)

    ブルーギル ブルーギル

    日本には、1960年に移入されたのが最初で、現在では日本全国に分布しています。全長は約25センチメートル。生息場所は、沿岸の水生植物帯。未成魚は、10数尾の群れをつくり、ほとんど動かずに水面 付近に浮かんでいます。浮遊動物、水生昆虫、エビ、水生植物を好んで食します。

    ウグイ/コイ科(Tribolodon hakonensis)

    ウグイ ウグイ

    河川の中流域に多い魚。昔は霞ヶ浦でも数多く見られましたが、最近になって、その数は減りつつあります。産卵期になると親魚は、3本の赤色の縦帯と追星が現れます。成魚には、産卵以外でも腹面 近くの体側に淡赤色の縦帯を現しているものが多くみられます。3~5月に砂利底に産卵。底生の小動物を主食とする雑食性です。

    ナマズ/ナマズ科(Silurus asotus)

    ナマズ ナマズ

    全長30~50センチメートル。頭と口が大きく、目が小さい。口ひげは、4本。霞ヶ浦では、湖の湾奥部の水草地帯等に生息しますが、最近は減少傾向にあります。5~6月の降雨後の増水時に河川にさかのぼって産卵します。夜行性で、水面 近くにいる小魚やカエル等に、下から食いつきます。

    カムルチー/タイワンドジョウ科(Channa argus)

    カムルチー カムルチー

    昭和12年頃、朝鮮から霞ヶ浦に移植されたと言われています。全長30~80センチメートル。体は、やや円筒形で、体側には菱形の暗斑点が2列に並んでいます。湖岸の泥底で水草の繁ったところに多く見られます。えらで呼吸する他、空気呼吸するのが特徴。夏、水草の茂みに巣をつくって浮遊性の卵を産みます。貪食で、カエル、アメリカザリガニ、小魚を食します。一般的には、ライギョと呼ばれています。

    ジュズカケハゼ/ハゼ科(Phodoniichthys laevis)

    ジュズカケハゼ ジュズカケハゼ

    湖全体に多数分布します。全長5センチメートルぐらいの小型のハゼ類で、雌の体側には5~6条の橙黄色の横斑があります。産卵期は、3~5月頃。巣の多くは浅いところの泥底の奥行き6~20センチメートルのトンネルで、雄が地力で掘ったものです。時には、雌や巣穴をめぐって、雄の間で闘争行動が繰り広げられます。中層を泳ぐ習性があり、イサザアミやアカムシユスリカ、オオユスリカの幼虫を餌にします。寿命は、ほぼ1年。

    ウキゴリ/ハゼ科(Chaenogobius annularis)

    ウキゴリ ウキゴリ

    霞ヶ浦全域に分布。全長8センチメートル前後の、体の細長い、やや大型のハゼ類。体側には、淡黄色で不規則な暗いまだら模様があり、舌の前端は浅く二股に分かれています。3~4月が産卵期で、湖岸の水深50センチメートルくらいまでの水底にある石、貝殻等を産卵床にします。雄は、産卵床と底土とのわずかな隙間に入り、卵を保護します。ハゼ類、テナガエビ、イサザアミ等を食します。

    ハクレン/コイ科(Hypophthalmichthys molitrix)

    ハクレン ハクレン

    中国大陸が原産地。1943年の放流により、霞ヶ浦と利根川水系に定着、自然繁殖を行うようになりました。5歳以上になると、湖から利根川を遡上。6~7月の大雨のあと、埼玉 県羽生市付近で10数尾が一群になって産卵します。主に浮遊植物を食し、アオコ(ミクロキスティス)も食べるので、湖沼の富栄養化対策に役立つといわれた時期もあります。

    ワカサギ/キュウリウオ科(Hypomesus transpacificus nipponensis)

    ワカサギ ワカサギ

    もともと海で育って、川にさかのぼってくる習性がありましたが、霞ヶ浦が海から湖に変わるのに順応して、生涯を湖ですごすようになりました。背びれの後方に、遡河性魚類の特徴である脂びれがあります。冬に湖岸に回遊して砂地に産卵しますが、この時期流入河川にさかのぼるものもいます。動物プランクトンを食し、1年で全長10センチメートル前後に成長します。寿命は、1年。

    ウナギ/ウナギ科(Anguilla japonica)

    ウナギ ウナギ

    体は細長く、円筒形で背びれがない。1~3月に全長5~6センチメートルのシラスウナギが利根川を経て湖内に遡上。湖で5~6年過ごし全長50センチメートルぐらいになると、産卵のために秋に海に降りていきます。産卵場は、南太平洋といわれますが、未だ解明されていません。動物食で、昆虫の幼虫、エビ、カニ、小魚などを貪欲に食べます。

    ドジョウ/ドジョウ科(Misguruns anguillicaudatus)

    ドジョウ ドジョウ

    体は細長く、円筒形で口ひげが10本。全長は、10~15センチメートル。霞ヶ浦では、岸近くの浅い泥質地や、湖に流れ込む水路や水田に多くいます。えらで呼吸するほか腸で空気呼吸も行うので、ある程度汚水域の生活にも耐えることができます。泥土中の有機物や小動物を食し、4~5月に、水草に産卵します。

    ヤリタナゴ/コイ科(Tnanakia lanceolata)

    ヤリタナゴ ヤリタナゴ

    日本産タナゴ類のなかではもっとも広く分布し、数も多い。湖岸近くの浅瀬を子のみ、流入河川の水路などにも見られますが、昔にくらべて数は少なくなりました。2年で6~8センチメートルぐらいの大きさになります。タナゴ類のなかでは、体高がやや高く、2本のくちひげがあります。体側の後ろのほうに細い縦線が見られます。産卵期は春で、雄は赤紫色の婚姻色になります。雌は、産卵管をのばし、マツカサガイのえらに産卵します。雑食性で付着藻類や小動物を食べます。

    ヒガイ/コイ科(Sarcocheillichthys variegatus)

    ヒガイ ヒガイ

    原産は、琵琶湖。霞ヶ浦には、大正7年に250尾が移植されて繁殖しました。かつてはかなりの数がいましたが、最近は減少傾向にあります。体は紡錘形に近く、口先は丸みを帯び、くちびるを前下方に伸ばすことができます。2本の短い口ひげがあります。体色は、雄と雌で異なり、特に産卵期の雄は黒みが強く、目が赤い。産卵期は、4~6月でカラスガイ、イシガイ等二枚貝の外とう膣内に産卵します。ユスリカの幼虫など底生の小動物を食べます。

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