関東地方に未曾有の被害をもたらしたカスリーン台風に引き続き昭和23年にやってきたアイオン台風。この時に活躍したのが当時初の試みとして行われたラジオによる利根川の洪水予報です。これは昭和23年に誕生した建設省関東地方建設局によって前年のカスリーン台風災害を踏まえて中央気象台とともに実施したものです。関東の各河川は大出水となったものの、事前の予報により適切な情報伝達、水防活動などが行われ、床上浸水は約800戸あったものの、死傷者数はゼロ。この事実は、洪水予報の重要度を社会的に認知させるには余りあるものだったのです。