事務所の取り組み
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総合治水対策
総合治水対策とは
流域の都市化の進展が著しく河川整備が追いつかないため、流域における保水・遊水機能の維持、浸水被害を抑える土地利用方法など、河川と流域の両面から水害の軽減と防止をはかる治水対策です。河川で実施する対策としては、河川改修、放水路、調節池の整備があります。流域対策では、調整池、浸透施設、内水ポンプの整備、土地利用の適正化などがあります。
総合治水対策は、昭和58年に策定された流域整備計画において、具体的な施設計画などを位置づけて、施設整備などを実施しています。
中川・綾瀬川流域では浸水に対する安全度が低いので、総合治水対策を実施しています。
この対策は、河川管理者が河川改修を行うだけではなく、流域自治体や地域住民の方にも協力をしていただいて実施しています。中川・綾瀬川等の特定都市河川指定(令和6年3月29日指定)
中川・綾瀬川等の特定都市河川指定についてはこちら
流域の特徴
中川・綾瀬川流域は周辺の地域に比べて低平な地形で水がたまりやすく、また河川の勾配が緩いために洪水が流れにくく、浸水被害が頻発していました。さらに、昭和40年頃から都市化の進展が急増したため、浸水被害はより深刻なものとなりました。
河川の対策
河川改修
河川の幅を広げたり(拡幅)堤防を高くして洪水を流せる量を増やします。
放水路、排水機場の建設
放水路を整備し、小さな川の洪水を大きな川へ排水します。排水機場は、小さな川の水位より大きな川の水位が高くなったとき、洪水を強制的に大きな川に流します。
放水路は、三郷・綾瀬川・毛長川・幸手・首都圏外郭放水路などがあります。 排水機場は、八潮・伝右川・古綾瀬川・綾瀬・大場川上流、下流などがあります。
調節池の整備
洪水時に河川の水位の上昇を防ぐ目的で周囲を堤防で囲い、一時的に洪水を貯める施設です。流域の対策
開発により損なわれた流域の保水・遊水機能を回復することや、流域から雨などが一気に流れ出すことを抑える対策を行います。
調整池の整備
降った雨が一気に河川に流れ込むことを防ぐため、雨水を一時的に貯めておく施設です。新たな開発に合わせて調整池を整備します。雨水タンク
すでに一部の自治体では不要となった浄化槽を雨水貯留のための雨水タンク化について助成制度が運用されています。各戸貯留
庭に屋根水を受けるための浸透マスを設置して地中にしみこませることで河川に流れ込む雨水の量を軽減できます。透水性舗装
透水性舗装は細かな隙間がある構造で、そこから雨をそのまま地中に浸透させます。
(写真は江戸川河川事務所の事例)適正な土地利用
無秩序な開発や、残土処分による土地利用を規制することにより、保水・遊水機能を確保します。校庭貯留
校庭などの一部を利用して貯留池とし、雨水を一時的に貯留します。(文教大学テニスコートの事例)下水道等内水排除ポンプ
河川の水位上昇に伴い、雨水が市街地に湛水しやすい(内水)流域であるため、下水道等の内水排除ポンプの整備が重要です。整備は各自治体が実施します。
(写真は高久雨水ポンプ場)