荒川を知ろう
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荒川の自然
生き物図鑑
草花
上流の渓流に咲く天然のワサビの花。中流部の河原に特有のカワラナデシコは熊谷に群落をつくっています。岸辺のヨシなどの水草は、水をきれいにする働きもあります。全体が赤く染まり茹でダコのようにみえるタコノアシは、河川敷の湿地などにわずかに見られるだけの「危急種」、浦和市田島ヶ原自生地が有名な埼玉県の花サクラソウも「危急種」です。埼玉県では絶滅したと考えられていたトダスゲが、平成4年に当事務所の工事施行区域内で見つかり、近くの荒川の河川敷に移植して大切に見守っています。
イチョウウキゴケ
水田や低湿地などの浅い水域に生育する浮漂性のコケ植物です。葉の形がイチョウの葉に似ています。
エキサイゼリ
氾濫原のヨシ原内に見られる丈の低い多年草です。日本特産種で、東海地方と関東地方のごく限られた地域にしか生育していない、きわめて珍しい植物です。
カワラサイコ
河川中流域の砂礫河原を代表する植物で、葉はやや厚く、深い切れ込みがあります。5~6月頃黄色い花をつけます。
カワラナデシコ
低地から山地まで広く見られる多年草で、河川敷では砂礫河原に生育しています。夏期に淡紅色の美しい花を付けます。
カワラヨモギ
河川中流域の砂礫河原を代表する植物で、葉は細く糸状になり、全体として繊細な感じがします。
コナギ
主に水田や低湿地に生育し、秋に紫色の小さい花をつけます。ナギ(ミズアオイ)に対して小型なので、種名はコナギです。
サクラソウ
山地や、低地の氾濫原に生育する多年草で、早春に花をつけます。かつては低地の氾濫原に広く見られましたが、現在では限られた地域でしか見られません。
タコノアシ
休耕田や低湿地に生育する多年草です。花のつく茎が蛸の足によく似ています。秋には全体が赤く染まり、よく目立つようになります。
チョウジソウ
河川の氾濫原などの湿った原野に生育し、時に群生する多年草です。4~5月に薄紫色の花をつけます。
ハナムグラ
主に河川敷のオギ群落内に生育する多年草です。初夏の頃、白い小さな花を付けます。国内では非常に限られた地域にしか生育していません。
ヒシ
やや富栄養な池沼に生育する浮葉植物です。7~8月に白い小さな花をつけ、果実には長大な棘があります。
フジバカマ
河川の土手や氾濫原などに生育する多年草で、秋の七草のひとつに数えられています。葉は乾くと芳香(クマリン;桜餅の香り)がします。
ミクリ
池沼や小河川に生育する抽水植物です。葉の片側に隆起があるので断面は三角形になります。果実の形はクリのいがに似ています。
ミズアオイ
水田や低湿地に生育する1草です。全体にコナギより大型で、秋に花茎を立てて紫色の大きな花をつけます。
ミゾコウジュ
初夏の頃、シソに似た薄紫色の小さな花をたくさん付ける1年草です。氾濫原や水田の畦などのやや湿った明るい草地に生育し、条件が良いと時に群生します。
トダスゲ
河川の氾濫原に希に生育する多年草で、生育地は局地的です。種名は荒川の戸田ヶ原が生育地の1つであることからついたものです。