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地域との連携

  • 荒川太郎右衛門地区自然再生事業

    概要

    自然再生事業とは?

    【自然再生の定義】

    過去に損なわれた自然環境を取り戻すことを目的として、関係行政機関、関係地方公共団体、地域住民、NPO、専門家等の地域の多様な主体が参加して、自然環境を保全し、再生し、創出し、またはその状態を維持管理すること。(自然再生推進法第2条一部抜粋)

    自然再生を目的として実施される自然再生事業は、開発行為に伴い、損なわれる環境と同種のものをその近くに創出する代償措置としてではなく、過去の経済活動等によって損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことを目的として行われるものです。

    自然再生推進法について(環境省ホームページ)[外部サイト]
    自然再生事業について(環境省生物多様性センターホームページ)[外部サイト]

    第2回の「荒川についての懇話会」を平成15年10月18日(土)10時から荒川上流河川事務所において「子供達を川に呼び戻すためには」というテーマで開催しました。
    当日は、一般公募により応募のあった荒川流域で河川に関する活動を行っている(又は川を利用している)9の市民団体が参加し、アドバイザーの(財)埼玉県生態系保護協会及び行政側の埼玉県と荒川上流河川事務所が参加しました。

    荒川の現状、そしてこれから。〜エコロジカル・ネットワークへ

    荒川は自然の「大きな柱」。河川敷の自然の拠点を保全・整備し、自然のつながり(エコロジカル・ネットワーク)づくりを進めています。

    【エコロジカルネットワーク化】

    荒川流域全体の自然のつながりを強化するためには、下図で示したように、第一段階として生態系が健全に機能し、ある程度まとまった「核」となる自然の拠点を守り、その自然を回復させることが重要です。また、さらにそれらを川、谷地、傾斜林などを軸として互いに結び、市街地の自然とつなげていくことで、荒川流域全体の自然を豊かにしていくものであります。
    現在、荒川での取り組みは、荒川を自然の大きな柱と考え、荒川の河川敷にあるネットワークの「核」となる自然の拠点を保全・回復する整備を行うことにより、ビオトープのネットワーク化の実現を目指しています。図に荒川における自然の拠点を示し、下記に代表的な現在までの取り組みについてまとめました。

    荒川に分布する自然の拠点

    荒川太郎右衛門地区ってどんなところ?

    【荒川太郎右衛門地区の成り立ち】

    太郎右衛門自然再生地の旧流路は、かつては荒川の本流でありましたが、約70年前の河川改修事業により捷水路が整備され、本流は直線化し、残存した旧流路には、荒川河道内に遊水効果を高めるための横堤が建設されたことにより、本川から切り離された3つの止水環境(池)となりました。

    荒川太郎右衛門地区の成り立ち - 図1
    荒川太郎右衛門地区の成り立ち - 図2

    【太郎右衛門地区がおかれている状況】

    太郎右衛門自然再生地は、荒川の堤外地(堤防の川側)にあって緑豊かな地域であり、3つの池を中心とした湿地環境が残存しています。下記に当該地域が置かれている状況についてまとめます。

    ●自然環境の総点検等に関する協議会 平成14年」において、当該地区を含む「荒川・江川ゾーン」は、首都圏の保全すべき自然環境として選出されています。(首都圏で25箇所のゾーンと13河川が抽出されています。)

    ●上下流に位置する荒川ビオトープ、三ツ又沼ビオトープや周辺の北本自然公園などをつなぐエコロジカル・ネットワークの拠点として、まとまった自然環境を有する重要な地域です。

    ●現存する豊かな自然環境は、旧流路(3つの池の部分)を除いた周辺部分が全て民有地であり、造成などによる自然環境の改変が懸念されます。

    太郎右衛門地区をこのまま放置すると…。〜なぜ自然再生が必要か?

    【太郎右衛門地区の現状の課題とその原因】

    現状で考えられる自然環境に対する課題とその原因について、下の図にまとめました。大きな課題は、下記の3点であると考えられます。

    1. 現在豊かな樹林地となっている池周辺部分はほとんどが民有地であり、造成等による改変が懸念されます。

    2. 乾燥化により池を中心とした湿地が減少してきています。

    3. 池周辺に発達した樹林地が高木・壮齢樹化することによって極相化(単調化)してきています。

    太郎右衛門地区の現状の課題とその原因

    【将来の予測】

    現状の旧河道環境に何らかの整備等を行わずに放置した場合、以下のようなことが予測されます。(下図参照)

    1. 本川の河床の低下が減少あるいは停止した場合でも、旧河道の開放水面部は降雨等による土砂の流入により埋没、陸化し、乾燥化が進行します。

    2. 植物相は陸化による乾燥が進行するのに従い、ヨシ群落を中心とした抽水植物からオギ等の乾燥性草本群落となり、さらに洪水の攪乱が少ない場合にはハンノキ等の樹木が優占し、また高木化します。そのため最終的には高木の樹林地となります。

    3. 動物では、魚類等水生生物の生息環境が消失することとなります。そのため、開放水面を利用し、魚類等を採餌しているダイサギ、カワウ、クイナ、カワセミ等の水鳥が飛来しなくなり、草地化及び樹林化が進行すると、スズメやムクドリ等の草地性や森林性の鳥類が優占種となります。

    4. よって、現在の水域から河畔林へ続く多様な生態系が、草地あるいは森林のみのものとなり、生物相としては貧相なものへと変遷します。

    将来の予測
     生態系ピラミッド概念図(事業を実施しない場合に予測される環境の変化)
国土交通省 関東地方整備局 荒川上流河川事務所
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